任意整理をするときには、いくつか知っておくべきことがあります。
この記事では任意整理のポイントや注意点について、弁護士が解説します。
任意整理のポイント
任意整理のポイントとしては、以下のようなことを挙げられます。
裁判所を介さない直接交渉
任意整理は債権者と直接交渉して負債額を減額してもらう手続きです。
裁判所を介さないので必要書類も少なく済みますし、柔軟な対応が可能なメリットがあります。費用についても自己破産や個人再生などの他の債務整理より低額になるケースが多数です。
財産がなくならない
任意整理をしても、財産はなくなりません。
預貯金や保険や車、家などを守ったまま負債を整理できます。
保証人に迷惑をかけないで済む
保証人がついている借金があるとき、個人再生や自己破産をすると迷惑をかけてしまいます。債権者が保証人へ一括請求するためです。
任意整理の場合には対象とする債権者を選べるので、保証人に迷惑をかけずに済むメリットがあるといえるでしょう。
たとえば奨学金を利用していて親に迷惑をかけたくない場合などにも、任意整理が有効な対策方法となります。
過払い金請求できるケースもある
任意整理の手続き中に過払い金が発見されるケースがあります。その場合、過払い金を回収できて、手続き後の支払いも一切不要となる可能性があります。
過去に高額な利率で支払いをしていた覚えのある方は早めに任意整理をしましょう。
任意整理の注意点
任意整理には以下のような注意点があります。
ブラックリスト状態になる
任意整理をすると、いわゆるブラックリスト状態になります。個人信用情報に事故情報が登録されてローンやクレジットカードを利用できない状態です。
任意整理をすると5～7年程度は自分名義でローンやクレジット、分割払いができなくなってしまう可能性があります。
大幅な減額はできない
任意整理をしても、大幅な負債のカットはできません。
一般的には利息や遅延損害金をカットしてもらえる程度で元本までは減額されません。
ただし利息制限法を超える利率で支払いをしていた場合には、元本まで減額できる可能性もあります。
債権者が納得しないと成功しない
任意整理では債権者と直接交渉しなければならないので、債権者が納得しなければ解決できません。
たとえば任意整理の話し合いを受け入れない貸金業者が相手の場合、任意整理できないので個人再生や自己破産で解決する必要があります。
任意整理をすると、支払総額や月々の返済額が減って自力返済が可能となる方も多くおられます。まずは一度、債務整理に積極的に取り組んでいる弁護士へ相談してみてください。
